
■仮定法のルールがよくわからない...
■仮定法と直説法の見分け方って?
■仮定法で時制が過去形になるのはなぜ?
こんな疑問に答えていきます。
英語の仮定法って難しく感じますよね。
日本語であればシンプルなのですが、英語になると一気にわかりにくく感じます。
というのも、英語では同じ仮定の話でも「2種類の仮定法」があるから。
ここが皆さんを困らせてる原因だったりします...
そこで今回のテーマはこの3点について。
- 英語における仮定法のルール【※直説法の違いも解説】
- 仮定法の使い方【※現在~未来まで】
- 仮定法の見分け方は「if」じゃない
仮定法の理解を深めれば、テストはもちろん、英会話でも役立ちます。
ぜひこの機に、仮定法の使い方やルールを押さえておきましょう。
もくじ
英語における仮定法のルール【※直説法の違いも解説】
まず仮定法のルールから。
(ここがよくわかってないと、この後の解説がまったくわからなくなるので...)
まず英語には「直説法」と「仮定法」の2つの用法があります。
ちなみに「直接法」は間違いなので注意ですよ!
この2つの違いはこんな感じです。
- 直説法→一般的なことを表現する
- 仮定法→ありえないことを表現する
ザックリですが、これくらいのイメージでOKです。
例えば「友達と何かに乗って出かける」とき、こんな話をするとします。
A「If we go there by train, it will be expensive.」
電車で行けば、(料金が)高くなるよ。
これは「直説法」です。
実際に話すような内容なので「一般的なこと」を表現してるわけです。
一方で「友達と遠くからディズニーランドに行く」とします。
A「If we went to Disney Land by car, it would be cheaper...」
B「But I think a bullet train is quicker...」
A「車で行けば、安く済むけど...」
B「でも新幹線のほうが早いし...(新幹線で行こうよ!)」
これだと「仮定法」になります。
というのも「車でディズニーランドに行く」のは少なからず2人にとって「ありえない話」だからです。
車のほうが安く済むのですが...
(※実際にかかる「時間」を考えると新幹線のほうが現実的と判断したってことです)
こんな感じで、英語では同じ「もし~なら」の話をしていても...
- 実際にありえること=現在形(直説法)
- 実際にありえないこと=過去形(仮定法)
という使い分けをします。
ではもう少し、この仮定法について詳しく解説をしていきますね。
仮定法の使い方【※現在~未来まで】
仮定法にはおもに
- 仮定法過去
- 仮定法過去完了
- 仮定法未来
- 仮定法現在
の4種類の使い方ができます。
「覚えるのめんどくさそう...」と思うかもしれませんが大丈夫です。
それぞれのルールや見分けるポイントはシンプルなので。
1つずつ順番にみていきます。
①仮定法(過去)の使い方【※イメージで理解】
まずは仮定法(過去)について。
具体的にはこんな使い方をします。
・If you had one million yen, what would you do?
もし1億あれば、何をしたい?
(※小学生の子に向かって聞く)
・If you were a bird, where would you go?
もし鳥なら、どこに行きたい?
(※(人間の)友達に向けて聞く)
・If I won the lottery, I would go to live abroad.
(※宝くじを1度も買ったことがない人が言っている)
仮定法過去はあくまで「今における仮の話」をしています。
(※名前だけみると過去の話だと思いがちですが、実際は「今の話」です)
ややこしいと感じる人は「今の事実と比べて話している」とイメージしてください。
ポイント
仮定法過去は「今の話、今の事実と比較して話している」だけ!
時制にとらわれて「過去の話をしている」と思わないことが大事です。
②仮定法(過去完了)の使い方【※イメージで理解】
次は仮定法過去について。
仮定法過去の使い方はこんな感じです。
If I had known you were in hospital, I would have gone to see you...
もし入院してることを知ってたら、お見舞いに行ったのに...
日本語で見ると「仮定法過去と何が違うの?」ってなりやすいので...
もう少しわかりやすく時系列を交えつつ解説すると...
- Aさんは数日前に、事故にあって病院へ運ばれた
- BさんはAさんが入院してることを「知らなかった」
- しばらくしてAさんとBさんが再開
- Aさん「実は事故にあって少し前まで入院してたんだよね~」
- Bさん「えっ?そうだったの?知らなかったよ...」
こんなニュアンスがあります。
さっきは「現在のこと」と比べて話していましたが、こっちは「過去のこと(入院を知らなかったこと)」と比べて話してますよね。
これが「仮定法過去完了系」です。
先ほどと同じく、名前だけみるとややこしくなりそうですが...
こっちはあくまで「過去のこと・事実」と比較して話しているんです。
くどいですが「文法用語」にまどわされないようにしましょう。
③仮定法(未来)の使い方【※イメージで理解】
最後は仮定法未来の使い方です。
これも早速、具体例を使って解説します。
If it should be sunny tomorrow, our picnic would be held.
(万が一)もし明日晴れなら、ピクニックが行われるよ。
仮定法未来ではまず「should」が使われます。
仮定法過去や完了では「動詞の過去形」「had+過去分詞」でしたが、未来では「should」を使うんです。
ニュアンス的には「ないと思うけど...万が一」くらいに思ってもらえばOKです。
ただ仮定法未来では、ちょっと変わった使い方が出来ます。
例えばこんな感じ。
If it should be sunny tomorrow, our picnic will be held.
ほぼ上の例文と似てますが、最後が「would」ではなく「will」になってます。
文としては1語だけ変わっただけなのですが、ニュアンスは結構変わってきます。
would→ありえない話(仮定より)のニュアンスが強い
will→「ないと思うけど、万が一◯◯なら~」くらいのニュアンス
こんな感じで、未来のことを仮定でいうときは「後ろの形はわりと自由」です。
そのまま「仮定法」のときもありますし「直説法」のときもあります。
仮定法の授業では「please」で習った人もいると思います。
でも実際は、shouldを使った未来の仮定は、いろんな表現が使えるんですよ。
ポイント
ちなみに「仮定法未来でshouldをなぜ使うのか」というと...
- should→もともと「shall」の過去形
- shallには「神や天の意志」という意味が含まれている
- 神の意思なので、本人の意思は「無関係」
- 未来のことは本人ではどうしようもないよね
こんな背景があるからです。
この考えから、shouldを使った未来の仮定法は「命令」とも相性がいいわけです。
もともと「神の意思」で◯◯しなさいって意味合いがあるので。
(※仮定法未来は成り立ちを考えるとややこしいんです)
④仮定法(現在)の使い方
仮定法で一番ややこしいのが「仮定法現在」です。
というのも、名前は仮定法といってますが、実際は仮定法っぽさがないから。
なので、仮定法現在という言葉はいったん忘れて...
「この動詞+thatだと、that内の動詞が原型になる」
これだけ押さえてくれればOKです。
その動詞は一言でいってしまえば「命令のニュアンスがある」動詞です。
例えば「recommend(提案する)」がそうです。
遠回しに「これを選んでおけば間違いないぞ!」って聞こえますよね。
他にも...
advice(忠告する)→「こうしたほうが良いよ!(こうしなさい)」
demand(要求する)→「コレ頼むね(コレやっといてね)」
order(命令する)→「あれやれよ(完全に命令口調)」
どれも「命令チック」な表現ばかりです。
これらを全部「丸暗記」するよりも、一度単語の意味を考えるといいですね。
意味を見たときに「これは少し命令っぽさがあるなぁ...」と気づけると思います。
仮定法の見分け方は「if」じゃない
最後は「仮定法の見分け方」について。
まず大事なのは「仮定法かどうかをifで決めない」ということ。
理由はいうまでもなく、ifを自体にはいろんな使い方ができるから。
- If it rains tomorrow, I won't go shopping.
- If you had a lot of money, what would you buy?
- If she had known about it, she wouldn't have bought the book.
①は「副詞節」の使い方、②は「仮定法過去」③は「仮定法過去完了」です。
なので「ifだけ」見ても、その文が仮定法なのかどうかわかりにくいんです。
ではどう見分けるかというと「後ろにある助動詞の過去形」です。
上の文でいう「wouldの有無」です。
今回はすべてwouldですが、文章によっては「might」だったり「could」のこともありますからね。
ifではなく、必ず後ろまで目を通して「助動詞の過去形があるかどうか?」をチェックしましょう。
【まとめ】仮定法は「ありえない」話をするときに使う【※文法用語に囚われすぎない!】
今回の内容をまとめます。
- 仮定法→ありえない話をするときに使う
- 直説法→ありえる話をするときに使う
- 日本語だとその区別が難しいので注意!
- 仮定法は「現在・過去・過去完了・未来」の4種類
- それぞれ「いつの話」をしているのかを考えよう
初めでも言いましたが、日本人はあまり仮定の話をするとき「使い分け」を意識しません。
というのも、話の雰囲気で「ありえる仮定なのか」「ありえない仮定」なのか察してるからです。
でも英語ではしっかり「これはありえる話をしてるよ」「これはありえない話をしてるよ」とハッキリ使い分けをします。
ここが日本人にとって仮定法がややこしいと感じる理由ですね。
ぜひ、それぞれの仮定法のイメージを掴んで、使い分けられるようにしていきましょう!